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走れ!バカップル列車 第31号 東京地下鉄副都心線 |
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二 南北線のホームに来た。みつこさんがいう。 「どうやって行く?」 おらが答える。 「有楽町線に乗るんだよね? それなら南北線で永田町まで行って、そこで有楽町線に乗りかえがいいんじゃないか」 「そっか。じゃあ、そうしよう」 南北線に永田町まで乗り、有楽町線の乗り場にきた。 「次にくるのが普通飯能行きで、その次は準急和光市行きかぁ。飯能はダメだよね?」 「なんだかわかりにくいな」 「準急和光市行きに乗ればまちがいないんじゃないか?」 「そうだよね」 「一本待つか」 「待とう」 有楽町線とそして副都心線も、運転系統が複雑である。ある程度乗り慣れないと違う電車に乗ってしまう危険はかなり大きい。 五、六分ほど待って準急和光市行きの電車に乗った。池袋までは各駅に停車し、池袋〜和光市間は小竹向原だけの停車である。 小竹向原に着いた。準急電車は、ポイントをガタゴトと渡って三番線に到着する。 この駅はホームが二面あり、それぞれのホームの両側に線路が敷かれているので合計四本の線路がある。三番線はまっすぐ行けば西武有楽町線に入ってしまう線路で、和光市方面に行くにはポイントを渡らないといけない。 一分ほど停まっていたら四番線に別の電車が到着した。車掌がぼそぼそと案内放送をしているが、よく聞こえない。ところが準急に乗っていた客の多くはホームへ出て、四番線の電車に乗りかえてしまった。 四番線の電車は同じく和光市行きの普通電車である。 「なんでみんな、あっちへ乗りかえちゃうんだろう。あっち普通だよね」 「普通のが速いのかな」 疑問を口々に言い合う。 「さっき、車掌が、あっちのが先に出るって言ったのかな?」 「よく聞こえなかったよね」 「まさか、普通電車が準急電車を追い越すわけはないよね」 そんなことを話していたら、四番線の普通電車が先に出発してしまった。 「普通が準急を追い越すって、ありえる?」 「わかんないなぁ」 三分ぐらい停車して、こちらの準急も発車する。ポイントをガタゴト渡って和光市方面の線路に入った。 準急は和光市までノンストップだが、前に普通電車がいるのでスピードはあまり出さない。途中で追い抜くのかとも思ったが、結局そのまま和光市に着いた。 「なんだったんだろうね」 「わかんないな。とにかくダイヤが乱れてるってことだな」 和光市の駅は東武東上線の駅である。 「地上だね」 みつこさんがいう。きょうは地下だけとおるつもりだったが、有楽町線の終点が地上なのだからしかたがない。 時計を見るとすでに十三時を回っている。おなかがすいたので、いったん改札口を出ることにした。 駅前広場から周りを見渡す。 みつこさんがすかさずオレンジと黄色の看板を見つける。 「ミスドがあるよ」 「ほんとだ」 ミスタードーナツでおひるを食べることにした。 地下鉄は、とくに日本においては、二十世紀後半の産物といえる。 現在のJR在来線(旧国鉄線)は、その九一・七パーセント(一六四八六キロ)までが一九四九年度以前に開業している。一九五○〜一九九九年度に開業した路線は八・三パーセント(一四九○キロ)に過ぎない。 ところが東京を含めた各地の地下鉄(公営・旧営団)は、一九四九年度以前に開業した路線は、十二・二パーセント(七六キロ)のみで、逆に一九五○〜一九九九年度の開業は、じつに八七・八パーセント(五四七キロ)にのぼる。 じっさい終戦(昭和二十年)の時点で開業していた日本の地下鉄は、東京の銀座線と大阪の御堂筋線(一部)・四つ橋線(一部)だけであり、こんごは地下鉄があまり建設されないとなれば、たしかに日本の地下鉄はほとんどが二十世紀後半に建設されたということになる。 東京の地下鉄は、東京地下鉄と東京都交通局の二つの事業者により営業されている。ぜんぶの路線が東京地下鉄、もしくは東京都交通局のどちらかに統一されれば、利用者にとっては運賃も安くすんで都合がいいが、どういうわけか複雑な経緯があって、両者混在しているのが現状である。 東京地下鉄(メトロ)の路線は、副都心線を含めて九路線あり、路線延長は合計して一九五・一キロある。 東京都交通局(都営)は、四路線あって、路線延長は一○九・○キロ。メトロと都営の合計は三○一・八キロにのぼる(三田線の目黒〜白金高輪間は、南北線と重複しているため差引いて計算)。 メトロ、都営を合わせた東京すべての地下鉄路線を一覧にすると次のようになる。 一 浅草線(都営) 西馬込〜押上 二 日比谷線 北千住〜中目黒 三 銀座線 浅草〜渋谷 四 丸ノ内線 池袋〜荻窪・中野坂上〜方南町 五 東西線 中野〜西船橋 六 三田線(都営) 目黒〜白金高輪〜西高島平 七 南北線 目黒〜赤羽岩淵 八 有楽町線 和光市〜小竹向原〜新木場 九 千代田線 綾瀬〜代々木上原・綾瀬〜北綾瀬 十 新宿線(都営) 新宿〜本八幡 十一 半蔵門線 渋谷〜押上 十二 大江戸線(都営) 都庁前〜光が丘・都庁前〜両国〜六本木〜都庁前 十三 副都心線 小竹向原〜渋谷 一から十三までの番号は、東京圏鉄道網整備計画(一九六二年の都市交通審議会答申第六号など)によってつけられたものであり、計画時の番号であるほか、いまでも『鉄道要覧』には「三号線銀座線」のように残されている。建設中の路線は、そのまま番号で呼ばれており、大江戸線も正式路線名が決まるまでは「十二号線」と呼ばれていたし、副都心線もつい最近まではふつうに「十三号線」と呼ばれていた。 東京の地下鉄の計画はいまのところ十三号線までである。そのあとに次の路線が建設される計画はない。 地下鉄の長いようで短い二十世紀後半は、副都心線の開業でようやく終わりを迎えることになる。 |
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