GOTO AKI個展「旅垢離(タビ・ゴリ)-非線形の風景」

写真の見せかたを骨身に沁みるまで私に教えてくださったGOTO AKI さんの個展を拝見してきました。
熊野古道の一つ「紀伊路」(大阪・天満橋から和歌山・田辺へ至る約300km)を計4回歩き通した記録の集大成ともいえる写真展です。
でもそこはAKI先生、ふつうとちょっと違うのは、15秒ごとに自動でシャッターが切れるインターバルタイマーで撮影していること。シャッターが切れても音がしないのでご自身でもどこで撮影されているかわからない中での撮影の旅。AKIさんが歩いて、カメラがシャッターを切ることでなにがみえてくるのか……。
「紀伊路」を歩いたといえば、地図の一枚でも貼りたいもの。どこでどんな滝を撮り、王子社を撮り、と説明を加えたいもの。しかし、会場にはそうした説明が一切ありません。地理的な空間も、朝昼晩・季節といった時間も、さらに言えば、身体も自然もなにもかもが渾然一体となった世界が広がっていました。そこにあらたな物語がはじまるのです。
10月26日(日)まで。

●GOTO AKI個展「旅垢離(タビ・ゴリ)―非線形の風景―」
会 期:2025年10月3日(金)〜10月26日(日)
時 間:12:00〜19:00(火〜金)/12:00〜18:00(土・日)月曜休
会 場:ふげん社(〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12)